アメリカの臨床心理学者のカール・ロジャーズさんは、心理療法が進む過程を、「人が人になること」とか「自分が自分自身になること」(現在進行形)と述べています。
では、「自分が自分自身では無いこと」とは何を意味するのでしょうか? 色々あると思いますがいくつか挙げてみます。
・本当はしたかったことを、否認すること(何か楽器を弾けるようになりたかった)
・自分が本当は感じていた思いを否認していること(本当は、親に大切にして欲しかった)
・本当に言いたかったことを我慢して言わないこと(無かったことにしてしまう)
・本当の自分の感情を否認すること(寂しくなんかない、悲しくなんかない)
・本当の自分の願いを否認すること(本当は、みんなと仲よくしたい)
・誤った信念(・・・べきだ)を取り入れていること
クライアントさんがカウンセラーに理解・受容され、理解され・受容され・大事にされている、と感じることができれば、否認していたことに気づき、自分の本当の思いに気付いて、クライアントさんは前進していく。ロジャーズさんはそうおっしゃっているんだと思います。
ですから、私にとって一番大事なことは、眼の前の今のクライアントさんを理解・受容して、クライアントさんに安全・安心の場を提供すること。いつでも、そうありたいと思います。